雑記 全てがインクの沼に沈む

 

明けまして…おめでとうございませんね。

新年早々能登地震で中々に大変な事になってしまいました。

被災者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 

斯く言う私も普段は北陸に住んでいますので、帰省から戻ってくるなりお家には散々な光景が広がっておりました。

な、なんじゃこりゃ…

 

端的に述べますと、棚の上段に置いてあったインク瓶が落ち、床がインクまみれになっていたわけですね…

物理的に、インク沼に沈んでしまいました。

犯人は直ぐに特定しました。パイロットの色彩雫──月夜です。ツキヨ、ワルイコ!(ハリーポッターのドビー風)

まだ一度たりとも使用した事がなかったのに…インク瓶1つ分まるまる床にこぼれていました…

 

色彩雫の瓶はかなり厚く丈夫で、そう簡単に割れるような代物ではありません。しかし蓋は平凡な、薄いプラ製です。(ペリカンのエーデルシュタインやモンブランなんかは蓋も丈夫なんですけどね)

運の悪い事に、棚から落ちる際に蓋が割れてしまったようです。床が月夜に染まってしまいました…

そして厄介なことに、フローリングに染み付いて色が落ちない。

これは本当に厄介です。アパートの退去時に大家さんに張替え費用を請求されてしまいますからね。これは中々に拙いですよ、ええ。

地震発生から既に数日経過していますので、木目にインクが染み込んでしまっています。

 

もうこれは、水やアルコールで拭いても落ちてくれそうにありません。

こうなれば、そう、秘密兵器に頼るしかありません。

何かしら魔法のようにインクを落としてくれる液体に…頼るしかない。

 

古典インクの場合、洗浄にアスコルビン酸が適しているのは有名な話です。

原理は知りませんが、古典インクは酸性だから、酸性のアスコルビン酸で洗うと効果があるんじゃないかな!知らんけど!

 

色彩雫は一般的な染料インクです。

「趣味の文具箱」によると、色彩雫の月夜はpH9.0とのこと。どちらかと言うとアルカリ性ですね。

つまり、9.0よりも更に塩基性の液体で拭けば、弱塩基遊離的な何かで落ちるのではないかと。

 

取り敢えず家中をごそごそと粗探ししてみました。

おお、ありました。手頃で安全そうな塩基性溶媒が。衣類用洗剤です。

ワイドハイターやオキシクリーンもありますが、此奴らは酸素系を謳っておりますので、今回は不適。

 

えいっ、と思い切って床に洗剤をばら撒き、数分待ってからティッシュでゴシゴシしてみます。

うーん…水よりは色が落ちてるような…気がしないでもない感じですかね。

でも、これではフローリング張り替え料金請求は免れないでしょう。

 

衣類用洗剤ではちょっと威力が弱いのかもしれない…もっとつよつよな塩基性溶媒が欲ちい…

更にキッツい塩素系のヤツを探しましょう…カビキラーとかどこかに置いてなかったっけ?

塩素系はちょっと危なそうなので使いたくはありませんでしたが、この際致し方ありません。

あれ、いない…待ち人来たらず。

探してもどこにもいませんでした。

 

代わりにトイレハイターを用意しました。

裏面を見たら、次亜塩素酸ナトリウムが入ってるので塩基性で間違いないですね。

では、早速かけてみます。えい。

あ、それと、塩素系を使用する際はよく換気して、酸素系と混ぜないようにしましょうね。

流石に長時間放置すると木が駄目になりそうなので、直ぐに拭きます。

あ、あかんわ。効果無し。

効いてる気がしない。

繰り返せばいずれは何とかなるのかもしれないけど、そんな不確実な未来のために手間暇かけてられないです。

お手上げです。

 

というわけで、結論。

 

覆水盆に返らず。こぼれたミルクはコップに戻らず、こぼれたインクは瓶に戻りません。

インクをこぼした場合は、染み込む前にさっさと拭きましょう。

私は諦めて、紫外線で退色する可能性に賭けるとします。